ピンポーン。
健くんの家のチャイムを押した。
すでに大きな笑い声が漏れている。
あれは、龍兄の笑い声だ。
ガチャ――。
玄関のドアが開く。
「………」
中からは、無表情の健くんが。
「おじゃまします」
言いながら中を覗くと、玄関先に乱暴に脱がれた靴がコロコロ転がっているのが見えた。
「あいつら、もう来てる」
「みたいだね。声、外まで聞こえてた」
肩をすくめながら言った。
「いつもうるせーからな、あいつら。近所迷惑とか全然考えてない」
一瞬、迷惑そうに眉間にシワを寄せた健くんは、「何してんだよ、上がれよ」と、玄関先で躊躇っているあたしを見て言った。
「いや、何か、久しぶりすぎて、ちょっと緊張してる」
アハハ、と、頭をかく。
「緊張?」
健くんの眉間に、またシワが寄る。
「こんなことで緊張すんなよ。俺らはガキの頃と何も変わってねーんだから。たったこれだけのことで緊張してっと、長生きできねーぞ」
階段を先に上って行った健くんは、顔だけで振り返り、フッとほほ笑んだ。
うっ……。
あなたのそのほほ笑みのせいで、さらに寿命が縮まりそうです……。



