10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!


「龍兄、もう自分の教室行けよ。ゆずにも会ったし、もう満足だろ?」

乱暴に机に鞄を叩きつけながら、和馬くんが片方の眉を上げた。

「なんだ、朝から不機嫌なツラして」

「別に? 気分上々だよ」

椅子に座って、頬づえをついている。

「コイツが不機嫌なのは、ただ単に、取られたくないだけじゃね?」

あっ? と、和馬くんが健くんを睨んだ。

「常に隣に置いておきたいタイプだろ? おまえ」

健くんはそう言って、あたしの方に目を向けた。

登校途中に見たあの目。

あたしの心臓を射抜く、卑怯なほほ笑み。

お、恐ろしい……

「と、とにかく。もう帰れ、龍兄!!!!」

「口が悪いな和馬。一応、俺先輩だぞ」

「こんなときだけ先輩面すんじゃねーよ」

和馬くんの言葉にムッと眉間にしわを寄せた龍兄。

だけど、すぐにフっとほほ笑んだ。

「はいはい。帰りますよ。あ、そうだゆず」

去り際に名前を呼ばれ、うん? と首を傾げた。

「和馬に何かされたすぐに俺に言えよ」

「………」

「俺がシメてやる」

にっこり笑いながらサラリと言った龍兄。

こ、怖いよ、その笑顔。

あたしは頬を痙攣(けいれん)させながら笑顔を作った。