ヒロくんがめくるページを覗きこむ。
目を吊り上げている和馬くんが、口を尖らせてガミガミ言っている絵。
「特に、この目なんか特徴とらえてるし」
「でしょでしょ? 自信作なんだ」
ヒロくんと笑い合うと、すでに歩き始めていた和馬くんがクルリと振り返り、やっぱり目を吊り上げていた。
「全っ然、似てねーよ!!!!」
そのまま、大股で歩いて行く。
あたしはヒロくんと目を合わせ、肩をすくめた。
「和馬くーん!!待ってよ~。 冗談だって~」
朝日に照らせた短い影が3つ、アスファルトの上を走った。
懐かしいな。
この感じ。
和馬くんの不機嫌な顔と、ヒロくんの爽やかな笑顔。
それに、必死に2人に着いていこうと走るあたしの姿。
10年前と、何も変わってない。



