ピンポーン。
登校の準備が終わって、机の上の鞄を掴んだその瞬間、玄関のチャイムが鳴った。
部屋の鏡で全身をチェックし、『はぁい』と、声を出す。
ピンポーン。
「はぁい、ちょっと待ってー」
ピンポーン。
ん……?
聞こえてないのかな。
「はぁい、ちょっと待っ――」
ピポピポピポピポピンポーン。
連打されるチャイム。
朝から頭の芯に響く高い音に、めまいがした。
「だからっ、ちょっと待ってって言ってるでしょ!!?」
チャイムを連打する犯人が誰だかわかっているので、目を吊り上げながら玄関のドアを開けた。
その瞬間、グイっと、目の前に何やら白い物体を突き出された。
目が中心に寄る。
「ねぇ……“おはよう”はないの?」
突き出された“それ”が何なのかを確認する前に、犯人をギロリと睨んだ。
「んなのはどうでもいいんだよっ!!!!」
ようやくあたしの目の前から“白い物体”を退けてくれた和馬くんが、不機嫌に言った。
「何で朝からそんなに不機嫌なの?」
玄関のドアをしめ、しっかりカギをかける。
「てめ、これは何だ」



