いやいやいや。
学年違うからね、龍兄。
全員がそう思っていても、口に出しては言わなかった。
「なぁ、俺んとこ来いよ。何の不自由もなく高校生活が送れるぞ」
ガハハっと豪快に笑う龍兄に、バシバシと背中を叩かれ、むせてしまった。
その時――。
バンッ!!!!
あたしの机の上で、ビリビリと響く大きな音がした。
あたし達4人、同時に視線を向ける。
あたしの机の上には、数学の教科書。
氏名欄には、緒方和馬。
「最初から素直になればいいのに」
呆れ気味に言ったのはヒロくんだ。
「………」
和馬くんは、ブスっと窓の外を見たまま。
「あいつ、照れてんじゃん?」
和馬くんの横顔を見た健くんが、意味深に口角を上げて言った。
「ガキの頃から、好きだったもんなぁ」
健くんがそう言うと、ガタンっ、と、和馬くんが立ち上がった。
す、す、好きだった
って……どういうこと!!?



