「んだよ」
不機嫌そうに、ヒロくんを見上げた和馬くん。
「見せてやんなよ」
「はぁ? どうして」
「お前が隣だからに決まってんだろ?」
「向こうの隣だっていんだろが」
和馬くんが、顎であたしの右隣りを指す。
そこには、眼鏡をかけた大人しそうな女の子が座っていた。
あたし達の騒がしさを気にすることなく、小説を読んでいる。
「お前の方が、柏木だって気が楽だろ? なぁ?」
ヒロくんの顔があたしに向いて、『…うん。 アハハ…』と、苦笑しながら答えた。
「………」
ブスっと、あたしを睨みつける和馬くん。
その態度に、さすがのあたしもしょげてしまった。
「和馬がそこまで意地を張るんだったら、俺が言い付けるからな」
「あっ?」
「もう少しで、来ると思うから」
……もう少しで、来る?
誰が……?



