「うますぎて、泣きそう……」
健くんの目は見えない。
短い髪だけど、健くんが俯く度に、髪もしんなり垂れた。
「……ごめん。無理言って……」
「………」
「身体が弱るとさ、なんか、急に寂しくなって……気がついたら、おまえにメール打ってた」
ガラガラの声。
でもやっぱり、目は見えない。
言葉が見つからない。
何を言えばいい?
メールをもらって、勢いでここまで走ってきたけど……
けど……
健くん……
あたしは――…
「お粥、まだ食べられる?」
逃げてしまった。
こんな事で話しをそらした。
切なげに頷いた健くん。
スプーンでお椀をこする音が、なんだか妙に神経を刺激した。



