ヒロくんの視線があたしに向く。
生気が抜けたように目を細めている彼の視線も、ヒロくんに続いた。
「……あ」
徐々に丸くなる彼の目。
「何か……知ってる気がする」
ゆっくりした口調。
ヒロくんと同じ黒髪は、寝癖であちこちがはねていて。
切れ長の目が、あたしを上から下まで見ていく。
なんだか彼の周りだけ、ゆっくり時間が過ぎているみたい……
「柏木だよ」
「………」
「柏木ゆず。小さい頃、健んちに集まってみんなで遊んだだろ?」
「あっ!!」
声を上げたのは、健くんとほぼ同時だった。
そうだっ!!
今のヒロくんの言葉で思い出した。
健くんの家はみんなの家のちょうど中心にあるからって、いつもここを集合場所にしたり、溜まり場にしてたんだっけ。
ラーメンは、お小遣いが少なくて食べられなかったけど……
「そうか。あの時の、チビか」
健くんの切れ長の目が、まだあたしをとらえている。
「でも、何でここにいんの?」



