申し訳ありませんが、わたくし、女王になりますので

 スナルが開いた天窓から外に出て宙に浮いたままのわたくしは、既に構えの姿勢を取った二名に向かって、
「調査が甘いようね。……王族から来る使いの者は、特殊な繊維で出来た服を必ず着ているの。……あなたたち、模写は得意なようだけど、そこまでは……知らなかったみたいね」
 二対一。めきめきめきと、使いの者一の右手が巨大化し、使いの者二は巨大な……狼と化す。
 狭いな。わたくしは、周囲に目を走らせると、舞台を山小屋から隣の――庭は狭い……あった、あちらがいい。誘導する。
(――姫様! )レナの声が聞こえる。(わたしたちになにか……出来ることはありますか! )
「そうね……湖。湖を使おうかしら。……あのね、レナ。湖に伝えてくれるかしら?」
 月の輝く闇夜のもと、わたくしは狼のように妖艶に笑い、
「目いっぱい……盛り上がってちょうだい、と」