申し訳ありませんが、わたくし、女王になりますので

「国王は蛙に変えられ、城のなかで保護されてはいますが、元に戻れる見込みはなく。第二王子イレドラー様は軍を引き連れて魔女の谷へと向かいました。続いて第三王子ハンドラー様も向かわれましたが、……その後、消息を絶っております」
 苦悶に歪む表情。続く言葉が予想出来る。
「カルガとアンドラはいかに? 」
「……はい。軍法会議を緊急に開かれていまだに……結論は出ておりません」
 わたくしが王都にいて予知の力を使えば阻止出来ただろうか。いや。
 ――終わったことを悔いても仕方がない。せめて、王族らしく、堂々と。
「それで。あなたたちが来た目的はわたくしに、……国王陛下とガーラにかけられた魔法を解除させ、伝説の魔女、アーノラを倒させること……以外に、ありそうね」
 わたくしが目配せをすると、使いの者は恐縮した様子で、
「はい――。それは我らが」
 ――始末するため。
 どん、と激しい音がしたと思ったら、ついさきほどわたくしが座っていたテーブルは黒く粉々になっていた。床に、大きな穴が空き、ぷすぷすぷすと煙が立つ。一秒でも遅れていたら。師匠の声が耳に蘇る。
 ――リルア。周りをちゃんと見て!