申し訳ありませんが、わたくし、女王になりますので

「まさか。そんな馬鹿なことが……。ガーラとて腕の立つ男ですのに……。彼がそんな簡単に魔法にかけられるなど……。誰が、そんなことを」
 取り乱してはいけないと頭では分かっていても、こういった有事の際は、自分が十代の少女に過ぎないということを、思い知らされるのです。使いの者は慎重に、重々しい口調で、
「アーノラです。アーノラが現れたのです」
「まさか、あの……。災厄の魔女が、復活したというのですか」そんな。わたくしのところにそんな知らせは届いていなかった。はるか遠い王都から、毎年開かれる春の祝祭、夏の水遊びの知らせは届いていたというのに。「なんと――恐ろしいことでしょう!」
 わたくしはいったん、言葉を現実のものとして飲み込んだのちに、
「して、お兄様たちはご無事で? 」ガーラが小鹿に変えられたなら兄たちとて無事では済まない。不安は的中し、使いの者は絨毯の模様を見据えたまま、