草木が揺れ、葉擦れの音に紛れて足音が聞こえる。――二名。
王族の使いか。今更わたくしになんの用があるというのだろう。
はるばる、このグルダの奥地にある山小屋を尋ねた者たちに敬意を払うべきだ。夜半にグルダの里に到着するのであれば、王都を午前には出発しなければならない。
「スナル。……お茶の用意を」
「御意」一見すると白いモフモフのかたまりにお目目がついた、可愛らしく愛くるしいだけの毛玉。この子はわたしの属精で、己の意志で獣人間と化す。
スナルが客人の支度をする間に、わたくしは、ゆっくりと、読みかけの本を閉じてベッドサイドに置くと身を起こし、黒のドレスへと着替える。
一度だけ、国王であった父の葬儀にて着用したドレスは、喪服である一方で、魔術を込めた特殊な繊維を使った布地で出来ており、客人をもてなすのにふさわしい、王族の人間専用の衣装だ。
鏡台の前に座り、髪を整える。薄闇の中で銀髪、碧い目が光る。耳からうえの髪だけを結わう。
王族の使いか。今更わたくしになんの用があるというのだろう。
はるばる、このグルダの奥地にある山小屋を尋ねた者たちに敬意を払うべきだ。夜半にグルダの里に到着するのであれば、王都を午前には出発しなければならない。
「スナル。……お茶の用意を」
「御意」一見すると白いモフモフのかたまりにお目目がついた、可愛らしく愛くるしいだけの毛玉。この子はわたしの属精で、己の意志で獣人間と化す。
スナルが客人の支度をする間に、わたくしは、ゆっくりと、読みかけの本を閉じてベッドサイドに置くと身を起こし、黒のドレスへと着替える。
一度だけ、国王であった父の葬儀にて着用したドレスは、喪服である一方で、魔術を込めた特殊な繊維を使った布地で出来ており、客人をもてなすのにふさわしい、王族の人間専用の衣装だ。
鏡台の前に座り、髪を整える。薄闇の中で銀髪、碧い目が光る。耳からうえの髪だけを結わう。



