夏休みになり、私はなにもすることが無くなった。
綾香とはあまり遊ばないし……。と、いうことで……というのも変ではあるけれど、碧に会いに行くことにした。まぁ、元々毎日会いに行く予定ではあったので。
碧のお墓の前で私はしゃがんだ。
「碧、また来ちゃった。今日からね、待ちに待った夏休みが始まったんだよ。でも、碧がいないから、私にはなにもすることが無くなっちゃった。宿題なんて、最初の数日で全部終わらせちゃいそうな勢いだよ。 綾香はね、玲央くんとの初デートの準備で忙しいみたい。 『何着ていけばいい!?』って、朝からLINEが止まらないんだ。だから、夏休みだけど綾香とはあまり遊ばないし……。あ、別に拗ねてるわけじゃないよ? 綾香には幸せになってほしいもん ……ということで、ね。碧に会いに行くことにしたんだ。あはは、ということで……というのも、ちょっと変ではあるけれど。まぁ、元々夏休みは、毎日碧に会いに行く予定ではあったんだけどね。
ねぇ、碧。 今日の空、びっくりするくらい青いよ。じりじりと太陽が照りつけて、まるでお祭りの日みたい。街はもう、七夕祭りの準備でどこもかしこも賑やかだよ。 大きな笹の葉が飾られて、色とりどりの短冊が風に揺れてる。それを見てたらね、一年前のことを思い出しちゃった。あの時、碧と二人で並んで短冊にお願い事を書いたよね。碧、なんて書いたか覚えてる? 『柚葉が、ずっと笑っていられますように』って……。自分のことじゃなくて、私の幸せを一番に願ってくれた。そんなのずるいよ、碧。そうやっていつも優しくするから、私、未だに一歩も前に進めないんだよ。
今年も、綾香に『七夕祭り、誰と行くの?』って言われたんだ。でもね、行かないって言っちゃった。だって、碧以外の誰かとあのお祭りに行くなんて、考えられない。屋台のあかりも、綺麗な花火も、碧と一緒に見なきゃ意味がないんだ。私の心の鍵を握ったまま遠くに行っちゃったのは、碧なんだからね。だから、私がずっと一人ぼっちなのは、全部碧のせい。
……なんてね。 また碧のせいにしちゃった、ごめんね。本当はね、碧が遺してくれた思い出が、今でも私を支えてくれてるの。……寂しいけれど、ここに来て碧の名前を呼ぶだけで、少しだけ救われるんだ。
毎日来たら、碧は迷惑かな? 『柚葉は寂しがり屋だな』って、あの優しい声で笑ってくれる? ねぇ、碧。 誰もいない私の夏休み、ずっとここで、碧の隣にいさせてね。じゃあね、碧。また明日も来るね!」
私はその場で立ち上がり、涙が溢れてしまった。
綾香とはあまり遊ばないし……。と、いうことで……というのも変ではあるけれど、碧に会いに行くことにした。まぁ、元々毎日会いに行く予定ではあったので。
碧のお墓の前で私はしゃがんだ。
「碧、また来ちゃった。今日からね、待ちに待った夏休みが始まったんだよ。でも、碧がいないから、私にはなにもすることが無くなっちゃった。宿題なんて、最初の数日で全部終わらせちゃいそうな勢いだよ。 綾香はね、玲央くんとの初デートの準備で忙しいみたい。 『何着ていけばいい!?』って、朝からLINEが止まらないんだ。だから、夏休みだけど綾香とはあまり遊ばないし……。あ、別に拗ねてるわけじゃないよ? 綾香には幸せになってほしいもん ……ということで、ね。碧に会いに行くことにしたんだ。あはは、ということで……というのも、ちょっと変ではあるけれど。まぁ、元々夏休みは、毎日碧に会いに行く予定ではあったんだけどね。
ねぇ、碧。 今日の空、びっくりするくらい青いよ。じりじりと太陽が照りつけて、まるでお祭りの日みたい。街はもう、七夕祭りの準備でどこもかしこも賑やかだよ。 大きな笹の葉が飾られて、色とりどりの短冊が風に揺れてる。それを見てたらね、一年前のことを思い出しちゃった。あの時、碧と二人で並んで短冊にお願い事を書いたよね。碧、なんて書いたか覚えてる? 『柚葉が、ずっと笑っていられますように』って……。自分のことじゃなくて、私の幸せを一番に願ってくれた。そんなのずるいよ、碧。そうやっていつも優しくするから、私、未だに一歩も前に進めないんだよ。
今年も、綾香に『七夕祭り、誰と行くの?』って言われたんだ。でもね、行かないって言っちゃった。だって、碧以外の誰かとあのお祭りに行くなんて、考えられない。屋台のあかりも、綺麗な花火も、碧と一緒に見なきゃ意味がないんだ。私の心の鍵を握ったまま遠くに行っちゃったのは、碧なんだからね。だから、私がずっと一人ぼっちなのは、全部碧のせい。
……なんてね。 また碧のせいにしちゃった、ごめんね。本当はね、碧が遺してくれた思い出が、今でも私を支えてくれてるの。……寂しいけれど、ここに来て碧の名前を呼ぶだけで、少しだけ救われるんだ。
毎日来たら、碧は迷惑かな? 『柚葉は寂しがり屋だな』って、あの優しい声で笑ってくれる? ねぇ、碧。 誰もいない私の夏休み、ずっとここで、碧の隣にいさせてね。じゃあね、碧。また明日も来るね!」
私はその場で立ち上がり、涙が溢れてしまった。


