「ねぇ、今なんか雰囲気あるしさ、怖い話してよ。」
恋人の桜良に言われた。最近ホラーにハマっているらしい。
「やだよ。面倒くさいし。」
俺がそう言うと桜良は口を少し尖らせて言った。
「えー、なんでよ。第一に、日誌のこと忘れてた裕也が悪いんだからね?」
裕也。俺の名前だ。
桜良の言う通り、今日はすっかり日誌の存在を忘れて居残りさせられ、待ってもらっていたのだ。
「はぁ...、分かったよ。一つだけね。」
桜良はぱぁぁっと顔を明るくした。それを見て、俺はなんとなく窓際に立った。桜良も釣られて隣りに立つ。
「ある学校にとても仲の良いカップルがいたんだ。
彼氏は彼女のことが狂おしいほど好きで自分だけのものにしたいと思った。
だから、ある時彼氏は放課後二人きりの教室で彼女のことを殺したんだ。
それで彼女の死体を抱きしめて言ったんだ。」
俺はそっと彼女を抱きしめた。
「これでずっと一緒だね。」
彼女がビクッと肩を揺らす。窓に反射した彼女の怯えた顔が見えた。
いつも俺以外の男に囲まれてニコニコしている桜良が今は俺だけを見てくれてる。
俺のせいで怯えてる、震えてる、あぁ、可愛い。
「ね、ねぇ、裕也...?なん、で、カッターなんか...。」
彼女の震える声に少し食い気味に言った。
「一緒になろ?俺、桜良のこと愛してる。ねぇ、いいでしょ?」
最愛の人が俺だけを見てる。嬉しい。嬉しいはずなのに...
「...なんか違う。」
俺は彼女から手を離した。
「ごめん...。」
俺は俯いて小さくかすれた声で言った。
「俺、桜良が他の男子と笑ってんの見て、取られるかもって思って怖くて、
なら殺して俺も一緒に死ねばずっと一緒になれるんじゃないかって思ってた。でも...」
そこまで言って言葉に詰まった。涙がポロポロと溢れ出してくる。
「間違ってた、俺のために桜良が死ぬのは違うと思った。
傷つけたかったわけじゃないのに...。ごめんなさい...、ごめ、なさ...」
泣きながら謝る姿は年相応、いや、それよりも幼く見えた。
すると、ふわっとなにか温かいものに包まれた。
「さ、くら..?なん、で...。」
彼女は優しく微笑んで言った。
「私、のことを愛してくれたからが故にこうなっちゃったんでしょ?方向性を間違えちゃっただけ。
裕也は何も悪くない。...とは言えないけど、私は嬉しかったよ。話してくれてありがとう。」
そう言って優しく俺を撫でる彼女に少し驚きながら言う。
「でも、あんなに怖がらせちゃった。最低だよ、俺。」
子犬のような目で見つめる。彼女は俺を抱きしめた。それでも撫でる手を止めなかった。震えていた手はすっかり収まっていた。
「大丈夫、大丈夫。怖くないよ。」
恋人の桜良に言われた。最近ホラーにハマっているらしい。
「やだよ。面倒くさいし。」
俺がそう言うと桜良は口を少し尖らせて言った。
「えー、なんでよ。第一に、日誌のこと忘れてた裕也が悪いんだからね?」
裕也。俺の名前だ。
桜良の言う通り、今日はすっかり日誌の存在を忘れて居残りさせられ、待ってもらっていたのだ。
「はぁ...、分かったよ。一つだけね。」
桜良はぱぁぁっと顔を明るくした。それを見て、俺はなんとなく窓際に立った。桜良も釣られて隣りに立つ。
「ある学校にとても仲の良いカップルがいたんだ。
彼氏は彼女のことが狂おしいほど好きで自分だけのものにしたいと思った。
だから、ある時彼氏は放課後二人きりの教室で彼女のことを殺したんだ。
それで彼女の死体を抱きしめて言ったんだ。」
俺はそっと彼女を抱きしめた。
「これでずっと一緒だね。」
彼女がビクッと肩を揺らす。窓に反射した彼女の怯えた顔が見えた。
いつも俺以外の男に囲まれてニコニコしている桜良が今は俺だけを見てくれてる。
俺のせいで怯えてる、震えてる、あぁ、可愛い。
「ね、ねぇ、裕也...?なん、で、カッターなんか...。」
彼女の震える声に少し食い気味に言った。
「一緒になろ?俺、桜良のこと愛してる。ねぇ、いいでしょ?」
最愛の人が俺だけを見てる。嬉しい。嬉しいはずなのに...
「...なんか違う。」
俺は彼女から手を離した。
「ごめん...。」
俺は俯いて小さくかすれた声で言った。
「俺、桜良が他の男子と笑ってんの見て、取られるかもって思って怖くて、
なら殺して俺も一緒に死ねばずっと一緒になれるんじゃないかって思ってた。でも...」
そこまで言って言葉に詰まった。涙がポロポロと溢れ出してくる。
「間違ってた、俺のために桜良が死ぬのは違うと思った。
傷つけたかったわけじゃないのに...。ごめんなさい...、ごめ、なさ...」
泣きながら謝る姿は年相応、いや、それよりも幼く見えた。
すると、ふわっとなにか温かいものに包まれた。
「さ、くら..?なん、で...。」
彼女は優しく微笑んで言った。
「私、のことを愛してくれたからが故にこうなっちゃったんでしょ?方向性を間違えちゃっただけ。
裕也は何も悪くない。...とは言えないけど、私は嬉しかったよ。話してくれてありがとう。」
そう言って優しく俺を撫でる彼女に少し驚きながら言う。
「でも、あんなに怖がらせちゃった。最低だよ、俺。」
子犬のような目で見つめる。彼女は俺を抱きしめた。それでも撫でる手を止めなかった。震えていた手はすっかり収まっていた。
「大丈夫、大丈夫。怖くないよ。」


