――……
まず、何から話そう。
どこから話そう。
最初にして大部分を占める秘密は、やっぱり紫苑とのこと。
「下着事件で紫苑に演技を見抜かれて、その直後から実はちょっと、絡まれていたというか……」
気まずさに苛まれそうになりながら、慎重に言葉を選んで話す。
“紫苑”の名前を聞いてすぐから爽真の目が鋭くなって、手を握る力が少し強まった。
「その直後は隠し事っていうより共有することでもないと処理してて。なんか気まずかったし。
……で、後々一本化計画に支障出したくないから余計言えなくなって、最終的に紫苑が深夜に乗り込む事態になった、という……」
刺さる視線が痛い。空気も冷え冷え。
もう怒ってる。
でもこっから先、もっと怒られること言うんだけど……
全部話しきるまで無事でいられるんだろうか?私。
悪いことをした子どものように爽真の顔を窺いながら、ついに切り出す。
「――そこで出てくるのが“契約”で……」
私が倒れる前、爽真に偶然聞かれてしまったワード。
爽真はまだ黙っているけど、明らかに目の色が変わった。
「……。紫苑が深夜に干渉しない代わりに、昼間の“瑠奈”を全部あげるって契約を交わしました……」
「は?」
「いやっごめん!言い方悪かった!正確には、“台本に則って、昼間だけは!恋心の視線も誘惑も全部紫苑のために使う”だから!」
「なんのフォローにもなってないんだけど」
防衛本能から思わず頭を抱えて小さくなろうとしたのに、右手を引こうとしたら重なっていた爽真の手に止められる。
弱って目を細めながら怒られ待ちをしていると、爽真が呆れたようにため息をついた。



