台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


深夜0時。

待っている人がいるリビングに降り立つのは、1週間ぶり。
だけど、もっと長い期間そうでなかったように感じるのは、多分緊張しているせい。

階段の最後の一段を降りて、テラスの大窓のある方に体の向きを変える。


“今日0時、リビング”。


爽真に言われて初めて待ち合わせた日と同じように、カーテンを開け放ったそこに爽真は立っていた。

顔を見た瞬間、く、と喉が熱くなる。
口を結んで堪えた私を、爽真はすぐに見つけた。

「瑠奈」

どこか心配そうな顔。
あの時と違って、爽真の表情はずいぶんわかるようになった。

月明かりから抜け出して、暗がりに立つ私の元に爽真が早足で近づいてくる。

「具合は?平気?」
「……ん、もう全然いつも通り……」

見えにくい顔色を確かめるように、少し屈んで顔を覗かれる。
私が頷くと、爽真はホッとしたように小さくため息を吐いた。

「……」

落ちる沈黙に、緊張が混じる。
見つめ合っている爽真まで口を結んで黙るから、何気なく首を傾げた。


「……悪い。なんか、変に緊張してるかも。
瑠奈の見た感じも、作った方じゃないし」

「!!」


そんなこと言う爽真、初めてなんですけど!?

所帯なさげに口元に手を当て顰めた顔を逸らす爽真に、心臓に衝撃が走る。

かぁっと顔に熱が集まって、私の表情まで引き攣る。
急に空気が甘酸っぱくなった気がして、体がむず痒くてたまらなくなった。