台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


窓の外から、騒がしい物音がする。
多分、みんなが帰ってきた音だ。

名残惜しそうに、爽真の手が離れていく。
気持ちを収めるように長く息を吐き出した後、爽真がゆっくりと立ち上がった。

「春野が突撃してくる前に、下に戻る」

「うん。……またね」

「……ん、また」

爽真が出ていったドアが、パタンと静かに閉まる。
階段を降りていく足音が聞こえなくなったと思った瞬間、階下で騒がしい声がする。



今、この瞬間は。
爽真に全部話す、迷わずそう思っていたの。



――次いで聞こえる、パタパタと絡れそうな焦った足音。

ひよりのだな、なんてぼんやりと思いながら、心に刺さった感情の余韻をずっと引きずっていた。