台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


言ってすぐ、するりと落とした爽真の手に唇が触れる。

爽真の肩がびくりと強張って、なすがままになっていた手が引っ込んで爽真の元に戻っていった。


見つめ合いは、爽真が先に目を逸らす。


――置き場に迷う手が、しばらく爽真の体の前を彷徨って、悩んで、私の頭の上に落ちる。

子どもを宥めるかのように柔く汗ばんだ髪を撫でて、熱っぽくなった視線がまた私に戻ってきた。


「……今日は行かない。ちゃんと休んで欲しいから」

思わずしゅんとした顔をすると、爽真の喉元が小さく動く。

けれど、優しい手つきは変わらず私の髪を撫で続けて、爽真の口からはぁと小さくため息が漏れた。


「明日は行く。だからしっかり治しておいて」

そんな風に言われたら、頷くしかなくなる。

「……ん、わかった……」


――今日の深夜、無理をしてでも会っていれば。
未来の私の選択は、変わったのだろうか?