「今、何時?」
「16時くらい」
「みんなは?」
「まだミッション中なんじゃない」
……だよね。
そう。そうなの。だからおかしい。
しれっと涼しい顔をして一問一答に答える爽真を、ありえないものを見る目で凝視する。
「なんだよ」と怪訝そうに眉を顰めてきたけど、「なんだよ」じゃ、ない。
「なんで爽真だけここにいるの?」
再び勢いよく体を起こそうとしたら、今度は爽真に両肩を押さえられて制される。
ベッドの横に置いた椅子から立ち上がって、中腰。
寝かしつけられた私を、真上から見下ろすような格好になった。
「寝てろって言っただろ」
「……勢いで、つい……」
西日を遮る影に、心拍が急に上がる。
押さえられた肩から爽真の熱が伝わって、表情が固くなって目が泳いだ。
変な沈黙。
私を見下ろす爽真から、心配が伝わってくる。
しばらくしても私が反発してこないのを確認して、爽真はゆっくりと手を離してまた椅子に腰を下ろした。
「……で。なんでここにいるの?」
「付き添い」
「そういうことじゃなくて……ありえないでしょ」
「春野が手、貸してくれたらしい」
「……ひより?どういうこと?」
「誰付きでもいいから早く瑠奈を帰らせろ。
じゃないと今あったことを、あることないこと今すぐホールで全部暴露するってスタッフに詰め寄ったらしい」
……ひよりが?本当に?
あの可愛らしい見た目と、ふわふわした性格からは想像できない。
ていうか、なぜ伝聞?
爽真はその場にいなかったってこと?



