「瑠奈、足細っ
でもちょっとサービスしすぎじゃない?」
「えーそうかなぁ?瑠奈、いつもこんな感じだよ?」
タオル地のショートパンツの裾をひらひらとさせながら、つまらなそうに返事をする。
トーク中、彩加や美玲が何回か話題を振ってくるけど、最低限の笑顔と相槌を返すだけ。
女子同士の褒め合いは、“悪役の瑠奈”なら参加しない。
“悪役の瑠奈”が唯一興味を示す女子トーク、それは……
会話が途切れて、一拍の間。
(そろそろ頃合いなんじゃない?)
ひとつだけ指定されている話題を誰が切り出すのか――
お互いにそろりと視線を向けあった。
「あの、」
ひよりがおずおずと手を挙げる。
みんなの笑顔に、ほんの少しの緊張が走った。
「みなさんには、気になってる人はいるんですか?」
――きた!
手も下げ忘れて、ひよりは目を泳がせている。
相当頑張ったみたい。
唇を噛んで小さくなっている姿がリスみたいで可愛かった。
けど、切り出し方がストレート過ぎ。
美玲も彩加も、すぐに返事ができずにいる。
(現時点のみんなの矢印を把握したかったから、まずは様子を見るつもりだったけど――)
ひよりの頑張りに応えて、ちょっと場を回してみるか。



