台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


(なんで初見では、気付かなかったんだろう?)


だってこれは――
私が何度も目の当たりにしてきた爽真の表情だ。


『降参。瑠奈の言う通りにする』

約束を交わしたあの時も。

『悪い、変なこと言った。……忘れて』

無神経に傷を作って、爽真が私の代わりに傷ついたあの時も。

『……謝ったって、どうせやめられないんだろ。瑠奈は』

私の性分を受け止めてくれた時も。

『紫苑がいた方がよかった?』

そう言って、今にも泣き出しそうに笑った時も。


いつ、どこで。
なんて、数え出したらキリがない。


『別に、どこにも行かないし。
というか、どこにも行けないし』

『瑠奈が本音を渡せる相手は、俺だけだったはずだろ』

どこか必死で、切実で、なのに甘くて胸を掴む。


そんな爽真の感情を――私、ずっと、ずっと受け続けていた。