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20:00。
会計を済ませて外へ向かうと、夜の色はさらに深くなっていた。
重たい押し戸を開けて、店の外に出る。
人気のない駐車場には、こっちに向かう強い照明と私たちを捉えるためにスタンバイしている撮影部隊。
そして、組んだ腕を指で叩く巻さんがいた。
(怖……や、でも変なことしてないし……!
むしろかなりきっちり、演技できてたはず)
内心ドギマギしながら、巻さんのことを凝視する。
何も言わないどころか、反応のひとつもないからそれが不安を煽った。
「締めのコメント撮って」
「はい!」
巻さんの短い指示で、緊張した面持ちのスタッフ達がせかせかと動き出す。
よくわからないままあれよあれよと誘導されて、客入りの邪魔にならない場所に爽真と2人で立たされた。
「罰ゲーム終了」
「相性ワーストペアでも、仲良くおつかいできましたぁ〜♡」
当たり障りのないまとめで、カメラのタリーランプが切れる。
残ったのは、手に持ったビニール袋の重さだけ。
スタッフ達もロケ車に機材を詰め込み、さっさと撤収作業に取り掛かり始めた。
(え、終わり?帰り道は、なし?)
……まぁ、でもそうか。暑いし、長いし。
撮れ高もいくらか作れてるはずだし、もう充分ってことか。
番組に使われるシーンなんてほんの数分。
馬鹿正直に往復1時間歩くなんて罰ゲーム、する必要ないもんね。
慌ただしくしているスタッフ達を眺めながら、呼ばれるのを待つ。
――すると、車から降りてきた巻さんが、急にこっちに歩いてきた。



