「公開生配信、すっごく盛り上がったよねぇ♡
みんなも後で、アーカイブ見てねっ♡」
控えめに肩を触れさせて、親密そうに紫苑の顔を覗くので精一杯。
紫苑の口元が僅かに微笑んだように見えて、その意味を考えてしまう。
「あぁ、うん。たくさん観に来てくれてたから、よかったよね」
“瑠奈”を拒絶しきらない優しい王子様の演技。
美玲の顔色をチラッと確認して、困ったようにする素振りまできっちりやる。
「みんなは?今何してたの?」
素知らぬ綺麗な顔をしたまま、紫苑が自然に私から離れてみんなのいるところに入っていく。
距離ができたのにちょっとホッとして、私はダイニングテーブルに集まるみんなに背を向けて、1人でソファに座った。
「次、爽真さんの番ッスよね?何時からなんスか?」
紫苑がテーブルに着いてすぐ、陸があっけらかんとして聞いた。
「……19時」
「おぉー、じゃあ夕飯の後だ!」
爽真の簡素な回答に、彩加が反応する。
「お相手はまたまた瑠奈ちゃんですよねっ
瑠奈ちゃん、人気者ですっ」
「人気というか……
たまたまワーストとベストになっちゃっただけだけどね」
無邪気に喜ぶひよりに、大和が苦笑い混じりにツッコむ。
「また生配信なのかな!?」
「さぁな」
「告知はなかったから、それはないんじゃない?」
淡々としている爽真を囲んで、当事者じゃない人たちの方が盛り上がっている。
美玲は極端に口数が少なくて、どことなく不安顔。
紫苑は明るく会話に溶け込んでいるけど、爽真を見る目だけはずっと笑っていない。
爽真は、まるで他人事のように2ショットタイムの話題をテキトーに聞き流しながら――
視界の隅に、ずっと私の後ろ頭を捉えていた。



