台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


ピピー!

ホイッスルが鳴って、移動が不能になる。

紫苑とバラけた。
そう思ったのは、そのあとだった。

「好きな人にはやっぱり、ちょっとカッコつけたくなるよ」

ありのまま派の陸に茶化された紫苑が、照れくさそうに頬をかく。

はにかんだ王子の顔をしながら、一瞬――こっちをチラリと見た。


意味深な視線にドキリとする。

やば、バレてるかな。
最後だけ反射で動いちゃったこと。


「爽真のありのままってどんな?」

「カッコつける爽真くんも想像できないですけどね……っ」


同じありのまま派の空間にいる爽真を囲んで、彩加とひよりが好き勝手なことを言う。

それに爽真は返事もせず、飄々と海を見ていた。


「美玲もカッコつける派なんだね」

「あ、……うん……結構取り繕っちゃう……」

カッコつける派の空間で、大和の茶化しに美玲が気まずそうに頷く。


――背中に感じる爽真の気配に、私の心は落ち着かない。


そして、今回のミッションの結末は――……

「相性ナンバーワンペアは、紫苑と瑠奈!

そして、ワーストペアは――」

空のてっぺんまで昇り切りそうな太陽に、大和のよく通る声が抜ける。

不揃いな声で作ったドラムロールは、潮騒に彩られる。


「爽真と瑠奈!」


狙い通りと、予定外。


この日私は――
初めてミッションのご褒美を獲得した。