「でもぉ、これってぇ、質問によっては、一致しない方が相性いいことってありそうじゃなーい?」
ぷく、と少し膨らませた頬に人差し指を当てながら、わざとらしく宙を見る。
「確かに。“追いたい派”と“追われたい派”とかだったら、不一致の方が相性良さそうだよね」
アシストするように紫苑が腕を組んで頷く。
それでみんなも同意して、不一致の方が良さそうな質問は都度審議してポイントを入れることになった。
「第一問:アウトドアといえば、海?山?」
シンキングタイム兼移動時間は、たったの5秒。
本当に直感で行かないと間に合わないから、紫苑と合図する暇もない。
――なんて、焦ったりはしない。
カウントダウンで走る間に、紫苑の後ろに回り込む。
紫苑も急いで走り込んだから無駄に行きすぎた、テイを保っている。
ピピー!
ホイッスルの音で、一区切り。
陸以外全員が“海”を選んだ。
「このロケーションで山はないよ、陸……」
「海に対してとんでもない裏切りですっ」
「えーっ!でもアウトドアって言ったら山っしょ!
キャンプ!川遊び!渓流くだり!」
「うわ、めっちゃわかるぅ。でも海でしょ。
この状況なら」
「ごめんね陸くん。フォローできないかも…」
ギャーギャーと盛り上がる方に、カメラが向く。
その隙に、紫苑の背後でほとんど口を動かさずに一息で伝達する。
「基本は右右左、そしたら反対を繰り返す。
不一致が正解になりそうな場合と性格に影響する設問は一旦定型を止めて、私は“瑠奈”っぽい方選ぶから。
あとは空気読んでいこ」



