背を向けた窓に差す日が、ジリジリと暑い。
少し離れた先で私の方を向く美玲にその光は味方して、彼女の透明感をより強く演出している。
長い沈黙に、置いたグラスが汗を浮き上がらせ始める。
美玲の視線が横を向いて、下を向いて、止まって。
また私のことを見た。
「好き。……本当は……撮影が始まるよりずっと、前から」
言うか否か迷っていた割に、すっと真っ直ぐ胸を貫く嘘のない言葉。
やっぱり。
よかった。
悲しい。
勝てない。
いろんな感情が一気に全身に押し寄せて、飲み込むまでに時間がかかった。
「……そっかぁ。それならいいの」
言葉を紡ぐまでは上手くできた。
けど、最後に閉じた唇は、ほんの少しだけ震えてしまった。
急に目の力をなくした私に、美玲が困惑の色を浮かべる。
しばらく言葉を探して動いていた美玲の組んだ手が止まった時――私たちの言葉が被った。
「瑠奈ちゃんは――」
「最後にもうひとつだけ教えて」
思ったより大きく出た私の声に、美玲が引っ込む。
こんなこと、これからに何の関係もないんだけど。
たぶん、ちょっとだけ、
美玲を悪者にしたかったんだと思う。



