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2人で足音を立てないようにしながら、廊下を通過して女子フロアの階段を降りていく。
まだ誰もが寝静まっている早朝のリビングは、遮光性の高いカーテンが夏の太陽からそこを覆い隠している。
階下に降りてすぐ、カーテンを開けてまずはそこを開放する。
今まで碌な接点を持ってこなかった私たちが、こんな薄暗い中で向き合っているところを目撃されたら、変な誤解を生むからだ。
(だから、偶然早起きした2人が鉢合わせただけって状況にしておく)
連れ出した割に話を切り出すこともなく、せっせと場を整える私を、美玲はぽかんとして見ている。
グラスに自分の分だけの麦茶を注いでダイニングテーブルに置いたところで、やっと美玲と向き合った。
「おまたせっ。じゃ、早速本題から――はじめよっか」
取り繕うは、意地悪で高圧的な悪女の笑顔。
だけど、目だけは本気。
多分癖で前に組んだ美玲の両手が、緊張を表してきゅっと互いを握り合った。
「瑠奈が聞きたいことはひとつ。
美玲ちゃんが、爽真くんのことをどう思っているのか」
美玲の表情が固まって、息を呑んだ胸が膨らむ。
私は表情ひとつ、姿勢すらも変えずに彼女のことを見つめ続ける。
答えて、美玲。
あなたの本心が知りたいの。
美玲が本当に爽真を好きなんだったら――ちゃんと託す。
けど、そうじゃなかったら――
守り方を、変えなくちゃいけない。



