>>やっぱなんか…おかしくない?
>>なんでみれいが照れてるの?
>>ていうかそうま、不感症すぎでしょ
>>え、いつのまにしおんから乗り換えたの?
>>意味不明。裏でなんかあった?
次々に流れてくる視聴者の不信感に、否応なしに感傷から無理やり現実に引き戻される。
心拍が一気に加速して、咄嗟に爽真の定位置に手が伸びる。
握れない布面を握り込もうとした指が滑って空ぶって、空虚に自分の手を握った。
――1番恐れていた事態になってしまった。
今までのストーリーに反する、決定的な違和感。
それが、私たちの恋まで“番組が作ったもの”なのだと、視聴者に疑わせるきっかけになってしまう。
そこに完全に気づかれたら、そこにある“本物”まで全部ヤラセと演出になってしまう。
大和たちの恋も、ひよりたちの恋も。
そして、台本通りのストーリーを演じてきた私たちに、強い追求の目が向くのは間違いない。
そしたら、爽真が――傷付けられることになる。
(それだけはダメ。絶対、絶対に――……)
爽真の場所に置いたままの手を、強く強く握りしめる。
守らなきゃ。
嫌だ。
けどやらなくちゃ。
上手くできるかはわからない。
でも、道筋はハッキリした。
自分の結末に向かうだけじゃ足りない。
爽真と美玲を、視聴者が納得する形に着地させる。
――これが私がみんなを、爽真を、守るためにやるべきこと。
(そのための下地として、話をしなきゃいけない人が何人かいる)
まずは、美玲。
ちゃんと彼女と向き合って、全てに決着をつけなくちゃ。



