爽真の顔は、いつでもどこでも変わらない無表情。
どこか気怠げで、退屈そう。
「わぁ、この魚の模様かわいいね。
なんて名前なのかなぁ?」
「……マンジュウイシモチ」
「マンジュ……?え?」
「マンジュウイシモチ。そこに書いてある」
首を傾げる美玲に、水槽の上に掲示された写真と解説付きの名札を指さして教える。
「マンジュウイシモチ!名前まで可愛い。
イチゴパンツ履いているみたいだって。可笑しいね」
口元に手を当てて楽しそうに笑う美玲に、爽真は表情ひとつかえないけど――でも、ちゃんと彼女を見つめている。
>>あれ、なんかいい雰囲気?
>>今の見た?そうま×みれいも全然あるから
>>そうま、緊張してんのかなー。だったら萌える
(……爽真ファンは、そりゃ嬉しいか)
爽真ファンは、爽真の無愛想さを素直になれない不器用さとして認識している。
急展開のデートだけど、爽真の不器用を美玲が見つけて拾ったと解釈すればちゃんと甘いシーンになり得る。
不器用ながらも、ちゃんと美玲と向き合っている。
それをデートで見せることこそ、視聴者の違和感を払拭する最良の一手だ。



