17:00。
大窓から差し込む西日が、何となく和らいできた頃。
玄関の戸が開閉する音がして、数人が廊下を歩いてくる音が聞こえた。
「ただいまー!」
リビングのドアが開くと同時に、元気な彩加が紙袋を両手に掲げて入ってくる。
それに続いて、大和、美玲、爽真やスタッフたちが次々と部屋の中へ入ってきた。
「おかえりなさいですっ」
「おかえりッス」
「おかえり」
ダイニングテーブルを囲んで、ババ抜きを展開しながらひより、陸、紫苑は帰還組に声をかける。
入ってきたカメラは、まず真っ先に紫苑を抜く。
だからその隣に座る私は、彼との距離を10センチ詰めて、
“不在中、紫苑くんのお隣はずっと瑠奈でしたけど”
と暗にアピールする、優越な微笑みを美玲に向けておいた。
――なのに、美玲はこっちを見ない。
紫苑も“ずっと心に引っかかってました”みたいな顔をしているのに、だ。
「駐車場からのちょっとの距離だったけど、暑かったね。
タオル持ってこよっか」
手で自分の頬を扇ぎながら、隣の爽真ばかり見上げている。
首元に少し汗が滲んでいるように見えるのに、爽真が涼やかに見えるのはやはりその表情の薄さのせい。
感情のない夜色の瞳が一瞬だけこっちを見た気がして、キュッと心臓が締まった。
「……や。着替えるし、いい」
美玲に視線を返すこともせず、目を伏せた爽真は一直線に男子フロアの階段に向かって歩き出す。
通りかかりざまに、ソファに水族館のロゴ入りの紙袋を雑に置いて、さっさと姿を消してしまった。
大窓から差し込む西日が、何となく和らいできた頃。
玄関の戸が開閉する音がして、数人が廊下を歩いてくる音が聞こえた。
「ただいまー!」
リビングのドアが開くと同時に、元気な彩加が紙袋を両手に掲げて入ってくる。
それに続いて、大和、美玲、爽真やスタッフたちが次々と部屋の中へ入ってきた。
「おかえりなさいですっ」
「おかえりッス」
「おかえり」
ダイニングテーブルを囲んで、ババ抜きを展開しながらひより、陸、紫苑は帰還組に声をかける。
入ってきたカメラは、まず真っ先に紫苑を抜く。
だからその隣に座る私は、彼との距離を10センチ詰めて、
“不在中、紫苑くんのお隣はずっと瑠奈でしたけど”
と暗にアピールする、優越な微笑みを美玲に向けておいた。
――なのに、美玲はこっちを見ない。
紫苑も“ずっと心に引っかかってました”みたいな顔をしているのに、だ。
「駐車場からのちょっとの距離だったけど、暑かったね。
タオル持ってこよっか」
手で自分の頬を扇ぎながら、隣の爽真ばかり見上げている。
首元に少し汗が滲んでいるように見えるのに、爽真が涼やかに見えるのはやはりその表情の薄さのせい。
感情のない夜色の瞳が一瞬だけこっちを見た気がして、キュッと心臓が締まった。
「……や。着替えるし、いい」
美玲に視線を返すこともせず、目を伏せた爽真は一直線に男子フロアの階段に向かって歩き出す。
通りかかりざまに、ソファに水族館のロゴ入りの紙袋を雑に置いて、さっさと姿を消してしまった。



