楽しそうにおしゃべりをしながら、カメラマンを引き連れて歩いていくみんなの背中を遠い目で見送る。
頭の中は“気まずい”でパンク状態。
背後に私達を捉えるカメラマンがいるっていうのに、放心状態で立ち尽くしてしまった。
ちら、とぎこちなく隣に視線を送る。
昨日あんなことがあったのに、爽真の横顔はいつも通りの無風だった。
強メンタルかよ。
ちょっとくらい居心地悪そうにしとけ。
痺れを切らしたカメラマンが、私たちの前に回り込んでくる気配がする。
やばい、切り替えなきゃ!
頭の中で、大事なことを復唱する。
キャラ立ち・撮れ高・プロ意識!
――よし!いけるっ!
「じゃ、私たちも行こっ?爽真くん♡」
カートに手をかけて、爽真の無表情を見上げる。
静かに落ちてくる爽真の視線は、すぐにふいと逸れていった。
「……」
かと思えば、突然私からカートを奪って歩き出す。
んなっ……
思わず笑顔がひくりと引き攣る。
「もうっ早いよ、爽真くんっ」
なんて笑っても、爽真の背中はこっちを見る気配すらない。
昨日までならなんとも思わなかったけど、今日ばかりは……ッ
お願い、返事くらいはして――――……!!
心の中で床を叩きながら、必死に爽真を追いかけた。



