「相変わらず、自由だね〜あの子」
大和の隣に座った私の後ろ頭を見ながら、女性スタッフは引き気味に苦笑いしている。
「まぁでもその掴めない小悪魔っぽさが、意外と人気集めてますし。
切り抜きも多いですよ。“あざと可愛いるなまとめ”とか、“しおんに夢中過ぎるるな”とか」
カメラのセッティングをしながら、男性カメラマンが甘やかした口調で返す。
「うわ、そういう小悪魔系って男子好きだよね〜」
「まあ、数字は回ってますね。アンチも多いですけど」
目の前で繰り広げられる私を商品扱いする会話に、爽真の視線が鋭くなる。
そんな爽真をずっと見ていた美玲が、トントンと爽真の肩を叩いた。
「私はいいよ。今日の朝食当番代わっても」
(むしろ、嬉しいし)
なんて本音は隠して、言った台詞は空気を切り替えるためでもあって。
爽真の顔はずっと晴れない。
なのに、カメラは回り出す。
「あ、ごめんごめん!話に夢中になっちゃった。
じゃ、撮影始めよ〜」
「はい、よろしくお願いします」
朝が似合う美玲の可憐な笑顔がカメラの液晶に抜かれて、爽真×美玲の朝食作りの撮影が始まった。



