台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


なんで?何で美玲がそこにいる?

(――いや、いたっていいんだけど!
いつの間に!?)


――6:45。


びっくりしすぎて危うく落ちそうになった悪女の仮面を、慌てて拾い上げてくっつける。

「……おはよっ♡美玲ちゃん」

ちょっと返事が遅れた私を、美玲はじっと見つめる。

はっきりとした表情のない顔でも、やっぱり美人だって思った。

なんとなく、勝手に気にまずい。
美玲の視線がにこにこしたまま後が続かない私から、爽真に移った。

「爽真くん、今日は何を作ってくれるの?」

「……チーズオムレツ」

「卵料理が得意なの?」

始まったのは、柔らかい朝の空気に似合うほのぼのとした会話。

ふふ、と静かに笑う美玲が、クールで淡白な爽真と並ぶとすごくバランスよく見える。


(“無口で孤独なクール男子を光の中へ連れていく、清純な女の子”だ)


そして爽真は、そんな美玲に連れて行かれる人。


そんな設定、とっくに知っているんだけど。

今この瞬間、その設定をまざまざと見せつけられたようで、ぎゅっと胸が苦しくなった。


――所詮私は脇役……ってね。