台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


苦し紛れの言い訳に、うんざりしてつい顔を横に背ける。


――その時。
大和の目が、赤みの引かない私の横顔を捉える。

それから、私と爽真を交互に見て、どこか同情しているような笑みを漏らした。


「へぇ、そっか。それならそこ、下の引き出しだよ」


大和はキッチンに向かいかけた進路をさりげなく変えて、ソファの方へ行く。

ソファに座る=キッチンに背を向ける姿勢になった大和が、何気なくテキトーなテレビ番組をつけた。

「あ、ありがとー、大和くん」
「大和、コーヒーは?」

まだぎこちない私のお砂糖ボイスと、淡白な爽真の声が重なる。

「うーん。まぁ、あとでいいかな」

テレビを観始めた大和が、少しもこっちを見ずに返事をした。

(よくわからないけど、助かった……!)

その隙に死ぬほど深呼吸を繰り返して、鼓動を無理やり落ち着かせる。

(いいぞ。だんだん心が静かになってきた)

深い呼吸でゆっくり膨らんだり縮んだりする背中を、爽真はただ黙って見ている。

(あとちょっと、あとちょっと……)

数分経ったところで――

(よしっいけるっ!)

きゅるん顔で振り返れるところまで復活した。


「爽真くんっ♡朝ごはんつくろ……」

「おはよう。瑠奈ちゃん、爽真くん」


振り向いて、衝撃。

いつのまにか作業台に向かっている爽真の隣に、
いつのまにか、美玲がいた。