台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「この時点でもう、かなり親密だったよね。瑠奈ちゃんと爽真」


確証があるかのような視線と言い切りに、追い詰められた気がした。

「どうだか」

しれっと爽真がしらを切る。

「じゃなきゃ爽真、こんなイライラしないでしょ。
瑠奈ちゃんの様子もちょっと変だし――喧嘩でもしてた?」

笑顔で確信をついてくる。
背筋にぞっと戦慄が走った。


(やっぱりこの人、ちょっと怖い)


情報を渡せば渡すだけ、足場を奪われていくような感覚になる。

まだ悪女ぶれる微笑みが、ほんの少しだけ硬くなった。


「――ま。いいけど。
おかげで俺も、この日は楽しかったし」

うっかり画面に触れた指先が、再生バーをぐんと進める。

向日葵迷路の中のシーンが飛んで、私と紫苑が出てくる場面が映った。


画面の中で、私は紫苑の腕に強引にしがみついているように映っている。
美玲に向かって嫌味ったらしく牽制をかける私の表情が抜かれて、コメント欄が荒れ狂う。


「……この時の瑠奈ちゃん、可愛かったなぁ」


左側から、ぽつり、わざとらしい呟きが落ちてくる。

映像とコメントに神経を逆撫でられていた爽真の目が、ゆっくりと紫苑を見る。