「……うわ、このレタスだけしなしな!同じ日に買ったやつっスよね?」
「それ、多分瑠奈がアホみたいな力で引きちぎったやつ」
「……瑠奈ちゃんって、料理の時だけアグレッシブですね……」
私の失敗に誰かが気付くと、冷静な顔した爽真がいちいち淡々と説明するから、その度に赤っ恥。
「〜〜――っ」
スクランブルエッグにフォークを突き立てながら、本気で赤面して、顰めっ面になった唇が震えた。
(今夜、絶対。絶対に覚えておけよ!爽真!!)
なんて、悔しさと羞恥心でいっぱいいっぱいの私は。
淡白に私を刺す態度に誤魔化されて、爽真がみんなの輪の中に自然に入っているみたいになっていたことも、
私と爽真の空気感が、ある意味親密に見えてしまうことにも気づかない。
――それを唯一感じ取っていたのは、
一番端の席でお行儀よく笑っている、紫苑と美玲だけだった。



