台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


変な電波を受信して、心拍がぐしゃっと乱れる。
それと同時に脳みそが処理落ちして、逸らせない目に瞼がバチンと落ちた。


「わ、わぁ――――……」

「ガチトーンでドン引きした時の“わぁ”やめられる?」


ふはっと紫苑がふき出して、それと同時に先に紫苑の目線が下がる。


「ふ、やば。負けちゃった」

セリフの割に、肩を震わす顔は心底楽しそう。


「わぁ♡やった、瑠奈の勝ちー♡」


なんかものすごく釈然としないけど、そういう流れだから喜んでおく。


「あーあ。そろそろ時間かぁ。
1時間って結構あっという間だね」


長針が12を指し掛けている時計を見て、紫苑がつまらなそうに息を吐く。

気怠そうにポン、とスマホの録画を切った。


「そぉ?瑠奈はすっごく長く感じたけど♡」

「それ、どういう意味?」

「紫苑くんと2人っきりが嬉しすぎて永遠のようだったー……って意味だよ?」


紫苑が納得いっていなさそうな顔をした時、玄関のドアが開く音がする。

「やだ、みんな帰ってきたみたい⭐︎
あー、残念だなぁ。すごーく残念」

言いながら、パタパタとリビングのドアに走っていく。

ぴょこぴょこひらひらと揺れるハーフツインの後ろ姿を、紫苑はじっと見つめている。

「……つまんないの」

バタン、と無遠慮にドアが開く。
1番最初に入ってきた人物に笑いかける私の姿に、紫苑は不満そうな顔をしていた。