「せ、……せいかーい♡」
人差し指を自分の頬に当てて、“悪女の瑠奈”の仮面を落っことさないようにする。
「っと、近いね。危うく事故るとこだった」
確信犯のくせに白々しく、紫苑は自分の口元に手を当ててふいっと顔を背ける。
眉を寄せて、ちょっと照れましたみたいな顔。
そして、得意の花背負い芸。
(1人だけ少女漫画感出すな!!)
ドッとまだ落ち着かない胸の音。
危うく甘酸っぱいラブコメに、引っ張り込まれるところだった。
「瑠奈、これ飽きた。別なのやろーよ」
返事を聞くより早く、さっさと厄介カードゲームを片付ける。
隣キープなんてしなきゃよかった。
キャラの都合上、こっちから離れることができないんだもん。
「まだ1ターン目だったのに。
次は何する?ババ抜きでもやる?」
「2人でやって面白い?それぇ」
ポーカーフェイス系は断固拒否。
紫苑とやると碌なことにならない。
「じゃ、オセロとかどう?
2人対戦用のゲームなら面白いでしょ」
……。それならまぁ。
「いいよっ。オセロやろー♡」
安牌に頷いて、今度はオセロ勝負が始まった。



