台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


机の上には、私が置いた撮影用のスマホ。今は停止中。
そしてお互いに手持ちでカメラは持っておく。


「じゃ、提案した俺が先ね」


紫苑の目が、お題カードの選択肢の上を行ったり来たりする。

数秒してその目がふっとこっちを見る。
どうやら決まったみたいだ。

「……」

何も言わないまま、紫苑が唐突に立ち上がる。
真面目な顔をしたままローテーブルを回り込んできて、私の真隣に立つ。

「?」

感情の読めない顔をにこにこしながら見上げていると、またも唐突にその場に座った。


(な……なに?)


行動の意味不明さが怖くて、さりげなく前を向く。

まつ毛多めの甘やかフェイスは、間近でこっちを見つめている。


(あっちを向いたら負け。というか、距離感バグすぎて物理的に事故る予感がする……っ)


“瑠奈”の顔を保つ一方で手に変な汗が滲んできた、その時。


「わぁっ!」
「わっ!」


耳元ででっかい声を出された。