解せない。……いや、解せるけど、解せない。
紫苑×瑠奈は最近ちょっとホットなペア。
紫苑の人気のおかげで悪女・瑠奈の評価は上がっていると言っても過言ではない。
けど、裏での紫苑のムーブが害悪すぎて、
1時間限定とは言え、完全な2人きりにさせられたこの状況。
心が解していないのだ。
横を見れば、紫苑も同じような解せぬ顔をしている。
私は顔には出してないけどね。
――とりあえず、話を進めることにした。
「紫苑くん、どーしたの?
瑠奈と2人っきりじゃ、やだった?」
きゅるんと上目遣いで首を傾げる。
「ははは…」って爽やか王子の苦笑いが来るのを予測して、次のターンに備えた。
「そこじゃないよね」
あれ、思ってた反応と違うんだが?
傾げた首が、心の中で180度さらに傾く。
紫苑が不満そうに眉を寄せた。
「この企画、瑠奈ちゃん爽真とは外ロケしたんでしょ?
なのになんでこっちはいつもの場所?待遇差ひどくない?」
――そう。爽真とは外ロケをした。
すぐそこに海があるっていうのに、わざわざプールに行って撮影をした。
「そんなこと瑠奈に言われても困っちゃうよぉ。
スタッフさんが決めたことだし。しょうがないよね?ねっ」
頭の中に特大の「は???」を浮かべながら、とりあえず紫苑のご機嫌をとる。
紫苑一本化計画。恋する“瑠奈”は盲目なのだ。



