台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―



人目も憚らず、カメラの前で元気いっぱい拳を突き出して決めポーズ。
ついでに可愛く片足も後ろに跳ね上げておく。


(……ところで、なんで私と爽真?)


頭の中は疑問符だらけ。

そもそもこのデートは、アオバケ視聴者参加企画【推しペア総選挙】なるもので、上位だったペアに与えられるご褒美のはず。


なのになんでこの2人?
番組の中でウケそうな絡み、あったっけ?

「……」

爽真も全然乗ってくれないから、黙って跳ね上げた足を地面に下ろす。
プールサイドを濡らす水が、パシャンと少し跳ね上がった。


(まぁいいや。とりあえず今は撮れ高!
せっかくのデート企画。このロケだけはメインになれるんだから、ガンガン狙っていかないと)


「今日はぁ、瑠奈のこと楽しませてね♡爽真くん♡」

小首を傾げて、緩く巻いた髪を耳に掛けながら小悪魔っぽく笑いかける。


水着は海の時とはちょっと味変して、白地にピンクベースのボタニカルフラワー柄のビキニにしてみた。

爽真と並んだ時、ピンクのフリフリはちょっと子供っぽく見えるだろうから。


完全仕事モードに努めて感情をオフにした爽真が、目線だけを私に寄こす。


下から覗き込むように爽真を見上げる私の顔、仕草、ちょっと大人っぽい水着姿をなんとなく視界に入れる。

爽真の眉間が寄って、口元がほんの少し引き締まった。


「無理」


ガーン!即レスで断られた。