台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


❤︎
5月22日。12:30。


「アオバケリトライ!?あたしが!?」


高校の屋上で、不在着信を折り返した彩加が素っ頓狂な声で叫んだ。

「あ、あー。いや。嫌とかじゃなくて!
私、一般公募枠だったし!前回人の応援ばっかで活躍もしてないし!
……声かかるの、意外だったなって」

あわあわとポニーテールを揺らして、乾いた笑いを漏らす。
耳にスマホを当てる手に、何となく力が入っていた。


「……いや!でも。再出演の声がかかるってことは、誰かが望んでくれたってことですもんね」


彩加は、自分を納得させるように頷く。
それから、青空を見上げた。


「リトライします。
次はいい恋できるように、頑張ります!」


まだ、この胸には誰もいないけど。


平凡な自分が誰かの胸に残っていたなんて、思いもせずに。