台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「――!
爽真はそのままでいいから!」

瞬間、溶けかけてた脳が叩き起こされる。
素早く小声で爽真に耳打ちすると、音も立てずにキッチンに駆け込む。

爽真と最初に遭遇した時にやった手口。


冷蔵庫のドアに手をかけた時――

タン、と誰かがリビングに降り立った。


誰……!?


まだ気づいてないことにしてるから、振り返れない。
多分振り返っているであろう爽真も、何も言わない。


階段の方には、確かに人の気配。


その人が状況を確認しているかのような不自然な間が開いて――


「ふーん、なるほどね。やっぱり当たってたか」


刺すように妖しいミドルボイス――紫苑の声がした。