「っ、」
爽真の目は、ずっと私を捉えて離さない。
妖しいのに優しくて、
甘いのに痛くて切ない。
爽真に甘く触れられると、息が苦しくなる。
全身が赤くなってるんじゃないかと錯覚するくらい、体が熱い。
どうしていいかわからなくなって、弱り切った顔をする私を見て、爽真がそっと私の手を外させた。
「瑠奈が謝ることじゃない。
……それに、結構私情混じってるし」
バツの悪そうな爽真が、まだ熱が引かない私を一瞥する。
「私情……?」
わかってなさそうな私の様子を見て、呆れたように苦笑を漏らす。
「わかんないなら、いい。珍しい顔も見れたし……」
私の顔を覗き込む爽真の手が、私の頬に伸びかけた時。
――カタン
男子フロアに続く階段の方から、誰かが降りてくる小さな物音がした。



