台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


――だから、その頬をそっと両手で掬う。
痛いところに絆創膏を貼るみたいに。

私の胸もちくちく痛み出して、それが表情に溢れた。


「だとしたら、ごめんね。爽真」


爽真の目が、大きく見開いて瞬きを忘れる。
その瞳いっぱいに私を映して、焼き付けて。

少しして、目を伏せて。
は――、と長いため息を吐き出した。

爽真が、甘えるみたいに私の手に頬を擦り寄せる。
その手に自分の手を重ねて、覆い隠して握り込む。


最近の爽真の手は、いつも何かに迷っている。


私の手を引き寄せるように力を入れかけては、緩む。

焦れた甘い瞳が、ふっと目線を上げて私を見た。


「……謝ったって、どうせやめられないんだろ。瑠奈は」

「うん……、ごめん……」

「いい、わかってる」


ちょっと不機嫌なのに、溶けるほど優しい声色。


私の手の中でほんの少し顔の角度を変えた爽真の唇が、柔く私の手のひらに押し当たった。