台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―




「陸くんが何か叫んでますっ」

私たちから少し離れたところで貝殻を探していたひよりが、ハッと振り返る。

「陸がうるさいのは、いつものことだからなぁ」

砂に半分埋まった貝殻を拾い上げながら、大和がしみじみと呟く。

「そうですねっ確かに!
でも今朝は元気がなかったので、元気になってよかったですっ」

嬉しそうに笑うひよりに、大和もふっと頬を緩める。

「ひよりは“ちゃんと”、陸のことが好きなんだね」

「わわっ大和くん、ストレートすぎますっ」

ひよりの顔がぽっと赤らむ。
それからちょっと間を置いて、肩を竦めた。

「でも、そうですね……。
はい。陸くんのこと、大好きですっ」

「そっか」

どこかホッとしたように、大和の表情も柔らかく緩む。

にこにこぽわぽわ、春の陽気みたいな空気が漂っていた。

そこに、彩加の明るい声が割り込んでくる。

「大和っひよりっ!どう?貝殻見つかった?」

「あ、彩加ちゃん。何個かは見つけましたよ〜」

彩加の後を少し遅れて、爽真も追いついてくる。

容赦なく照りつける日差しに辟易としながら、集めた貝殻を手のひらに乗せていた。