台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「……」
「……」

爽真が静かに、元いたところに腰を下ろす。

無言で俯く私と、明後日の方を見る爽真。

さっき私に触れた手は、肘掛けの上で今は頬杖になって爽真の頬を支えている。

その親指が居場所に迷うように、ずっと小さく動いていた。


「あ――……明日。明日のミッションは、なんだろうね?」

気まずい胸の音を誤魔化すように、どうでもいい話題を振って。

「さぁ?今日は全員だったから、とりあえず分かれてやる系じゃない?」

爽真は、真面目に返してくれて。


「……だったら、爽真と一緒がいいなぁ。気楽だし」

「…………お前。それで全て帳消しにはならないからな」

「え?」


爽真はわかりにくいようで、わかりやすくて。
わかりやすいのに、全然わからない。


そして、今日。
また私が知らない爽真の感情に触れてしまった。


暗がりの中で手のひらで口元を覆い隠す爽真の顔は、どんな表情をしているのか。


私には、これっぽちもわからなかった。