台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「……」

ゆっくりと、私の手首を拘束していた手の力が緩んでいく。

爽真の右手が、私の腕を伝って頬に乗る。

輪郭をなぞって、甘く。優しく。


私を見つめ続ける爽真の表情は、虚ろなのにどこか切なげで色っぽい。


顎先で止まった手が、しばらく迷って――

その親指がそっと、私の唇を撫でた。


「……っ、!」


瞬間、ビリビリとした甘い痺れが全身に走って、きゅっと胸が締め付けられる。

びくっと強張った私の指先に爽真の視線が落ちて、自嘲気味に笑いを漏らした。


「悪い、変なこと言った。
……忘れて」

私の頬を撫でた手が、ポンと私の額を叩く。


ドキドキと強く脈を打ちすぎて、飛び出そうな心臓。
お腹までキュンと沈む緊張と、熱い頬。

「……う、ん……」

触れられた腕も頬も、唇も、ずっと脈打っている気がする。

とにかく余裕がなさすぎて、頷くので精一杯だった。