にこにこと満面の笑みを浮かべて返事を待つ私に、美玲はちょっと困ったような顔をする。
それから、明らかな愛想笑いを浮かべてきた。
「…ありがとう。でも、」
「美玲ちゃん、俺が教えるよ」
(やっぱり。乗ってきたな)
真正面から飛んできた王子様の花吹雪に、内心にやりと笑う。
紫苑なら乗ってくると思った。
いじめられてる“ように見える”ヒロインをさりげなく助けるのは、相当映えるもんね。
“自分のアクションが裏目に出て悔しい悪女”を演じながら、思惑通りに完成した絵に心の中でガッツポーズする。
そんな私を横目に見る爽真の目が、やけに冷え込んでいる。
ペン先を突き立てっぱなしのノートの紙面が、くしゃっと音を立てて破けた。



