「ごめんね、紫苑くん。瑠奈、ぼーっとしちゃってたぁ」
「ずっと集中してたもんね。ちょっと休憩にしようか」
「うん、そうしよー♡」
(いけない、今はカメラの前。集中集中!)
美玲の目の前で、紫苑と仲良くお勉強♡って絵を作った後で、この絵が使われる“悪女の私”を演出しなくちゃ。
机に両肘をついて、両手に可愛く顎を乗せる。
私が今刺すべきは、美玲だ。
「みーれいちゃん♡」
甘ったるい猫撫で声で、美玲を呼ぶ。
爽真と2人で悩んでいた美玲の顔が、ふっと上がった。
「わからない問題あるの?教えてあげよっか。
瑠奈、英語も得意なんだぁ♡」
――マウントとってる風、親切。
ポイントは、本気で親切にしようと思って言うこと。
“お前、無自覚に煽ってるぞ!”……ってツッコむ隙をつくること。



